真魚八重子

クリティカル・ケアの真魚八重子のレビュー・感想・評価

クリティカル・ケア(1997年製作の映画)
3.8
看護婦に物わかりの良いイイ女がいるなーと思ったら、ヘレン・ミレンだった。彼女はゆっくり年をとっているから、いつの時代かわからない。『第一容疑者』の頃か。
それに対して全然今と変わってないのがキーラ・セジウィック。世知辛い誘惑的な女の役だけど、子どもみたいで、ケヴィン・ベーコンにあんなに愛されて羨ましいなあと、関係ないことばかり考えていた。
医師のジェームズ・スペイダーが白い巨塔みたいに病室を回ってようが、大事な話をしていようが、何回もアルコール依存症の恩師に呼び出されて、行くと「なんの用だ」と言われるくだりが死ぬほどあって笑った。

遺産相続争いにスペイダーが巻き込まれる話。意識のない寝たきりの患者を、胃ろうでさらに生かすかが問題となる。わたしの父も母や医師の判断で胃ろうで無駄に死期を延ばしたので、ドロッとした記憶が蘇った。
全体に70年代のベトナム戦争の、トラウマで入院している病院ものみたいな、ニューシネマのシュールなセットみたいだった。集中治療室で窓がないため、壁に当たる部分が白く光で飛ばしてあって、非現実感がある。
真魚八重子

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