あーちゃんこなんこ

Love Will Tear Us Apartのあーちゃんこなんこのネタバレレビュー・内容・結末

Love Will Tear Us Apart(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

8/20『Love Will Tear Us Apart』鑑賞。

最初は、#木村知貴 さん #矢部俐帆 さん目的だったのですが、YouTubeの予告を見て内容にも興味を持ちました。
実は私、所謂ホラーというジャンルはかなり苦手で、推しの俳優さんが出演してても観ないほど。でも前日に #ミニシアターGIG がX(Twitter)でしていたスペースで #宇賀那健一 監督が「ホラー要素は出来るだけ抑えてある」と仰っていた通り、ホラーが大の苦手な私でも恐怖を感じること無く鑑賞出来ました。(最後の吹越満さんが銃で撃たれるシーンは思わず笑ってしまいました(^_^;)場内のみなさんも結構笑ってたと思います)

終映後に宇賀那監督にもお伝えしたのですが、タイトルと結末が真逆なのが面白かったです(確かに自分の周りにいる人たちが死んでいってみんないなくなるのはその通りだけど)。YouTubeでの予告でキャストのみなさんが【究極の(純)愛】と仰っていた理由が解りました。もし私がわかばの立場なら、幸喜に同じ想いを感じたと思います。自分を守るために長年非常に大きな犠牲を払ってくれたのだから。
ただ1番驚いたのは、神山総一の娘を失ってからの壊れっぷり。幸喜よりも壊れている。遺骨を持ち歩いてまで食べたり、気持ちは解らなくもないけど、娘が死んだのに環奈やわかばが生きていることを許せずに環奈を殺したこと。幸喜のわかばを守るための行為も「実行までするか?」とは思うものの共感は出来ます。でも総一の行動は(少なくとも私には)実行に移すことに全く共感出来ません。事件によって頭が完全にクレイジーに。。
幸喜の行為は「わかばを傷つけようとする者から守る」という大義名分があるけど、総一は自分の消化出来ない感情を他者(しかも犯人では無い相手にも)に向けた情状酌量の余地のないもの。殺人犯が2人(2方面)いるという展開は意外で想定外でした。

ここからは宇賀那監督に是非質問してみたい部分でもありますが(←上映が遅い時間なので電車の時間がある。たくさん質問したい内容があるので現実的には難しいかな…)、この映画の基本ラインは「幸喜がわかばを傷つけようとする者から守る」ということだと思うのですが、学級崩壊・いじめの黙認・機能不全家族(ネグレクトを含む)など、現在の日本で問題となっている事柄についても提起したくて敢えて物語に入れ込んだのか、作品の流れの中でそういう設定にたまたましたのかということです。
どちらであっても構わないのですが、最近鑑賞する作品には現代社会の様々な問題点を浮き彫りにしているものが多いように感じていたので気になりました。

私が鑑賞した日はメイキングもあったのですが、その中で印象的だったのが「キャストが楽しそうにしている」ということ。オフにワイワイしてるのはよくあることかもしれませんが、殺されるシーンで何故か楽しそうな動きをしている。初見だったので本編鑑賞中は気づきませんでしたが、メイキングで改めて観ると「殺される恐怖にある人がこんな動きする?」というのがいくつもあって、この楽しげな雰囲気がホラーが大の苦手な私でもすんなりと観られた要因かなと感じました。
それから、襲ってくるものが科学では解明出来ないものではなく、正体が判明して何故このような事を行ったのかも理屈では理解出来る点も最後にもやもや感が残らずスッキリ観終われた点だと思います。

色々な要素てんこ盛りの、私にとっては新感覚の映画だったので、多くの方に観ていただきたいです。