インディーズ映画でしか出せない味わいのある映画。
そして同時に唯一無二の味わいでもある映画。
そんな感じがした。
好きになるかどうかはかなり好みが別れるとは思う。ただ、物凄い濃い味付けという訳ではないのがまた面白い。
猫好きの私としては、その点で強烈に訴えかけてくるものがあったのだが、実際の猫はほんの少ししか登場しない(笑)
言うたら化け猫がアクションを繰り広げるのだが、パンチは本格的で決して猫パンチではない。これがホントのキャットファイトか、なんて言うにはかなりカッコ良いのだ。
それでいて銃の狙いが甘かったり攻撃が気まぐれだったり、行動の一つ一つがやっぱり猫なんである。
特に主人公を助けてくれる絢寧さんなんかはツンデレの極みみたいな子で、表情は変わらないのだけど心の中では甘えモードみたくなるところがとても可愛らしい。黒猫だというところがさらに個人的にはたまらんポイントである。
兄が監禁されている洋館やそこに牢に至る渦巻き階段、主人公達が拠点にする遊園地の廃棄など、印象的なロケ地が盛りだくさん。
英語と日本語の会話がそのまま成り立つとか冒頭から無国籍感はあったが、場所がどこかわからないところがさらにその無国籍感を強める。
逃亡中のダイナーの外を、処刑執行人さんが斧を構えたまんまヒョイヒョイ横切ってるのに呑気に会話してるシーンが妙に好きなんだけど、そんな感じでめちゃくちゃ笑わせに来るんじゃないけどクスッとするシーンがちらほら。猫からすると人間のデカさなら檻はこのサイズにしとけば大丈夫と思ったのかな？とか(笑)
大衆受けするかはわからんけど、好きな人は好きだろうな、というユニークな作品。かなり個性的でもあり、この監督の次回作は気になって観に行くと思う。
