Breminger

劇場版ブルーロック –EPISODE 凪のBremingerのレビュー・感想・評価

3.6
原作の連載当初から愛読しており、サッカーに擬似デスゲームの要素を加えるという斬新さとキャラクターの濃さに惹かれ現在進行形で楽しんでいます。
アニメのクオリティもかなり高く、ちょっと女性向けに作った感じが鼻にはつきましたが、原作の再現度は高く、アニメならではの音も楽しめて満足していました。

ただエピ凪の映画化は正直尺的に短すぎるんじゃないかな?と思っていました。凪と玲王との出会いからブルーロックへ入ってブロック勝ち抜き、ここまででも相当ボリュームがあるので、やってもここまでだろうなと思いましたがまさかの90分、これは相当怪しいなぁと疑いをかけながらも、「ハイキュー」が尺大丈夫か?と思っていたらとんでもない濃厚さを持って畳み掛けてくれたので、そっちに転がってくれることに希望を持ちつつ鑑賞。特典は冊子でした。

嫌ーな予感はやはり的中しました。いくらなんでも端折りすぎてましたし、終盤は詰め込みすぎてましたし、アニメだけ見てる人とかなんのこっちゃ?ってなる終わり方はかなり不満が残りました。

良いところ
・凪の覚醒していく過程は見応えあり。じっくりと天才が努力する天才へと生まれ変わっていくのは興奮してしまう。

・チームVとチームZの戦いはやはり素晴らしく、練り込まれた戦術と、それぞれのサッカーへの思いがこれでもかと伝わってきたのは良かった。

・斬鉄大好きなので、彼が最強のストライカーを目指す理由がしっかり描写されていて感極まった。

・楽曲がどれも良かった。

気になったところ
・序盤も中盤も終盤も省略しすぎて、原作を読んでいると違和感ありまくり。

・作画は悪くないけれど、劇場版で出すにはちょっと物足りなかった。

・本元アニメや劇中の序盤の映像の使い回しが多すぎて萎えてしまった。

・原作ってあんなに腹筋チラリなシーンあったっけ?と思ったらそんなこと無かったので、女性向けに作ってるわ〜とムズムズしてしまった(実際劇場の8割近くは女性でかなり驚いた)。

・てっきり凪が玲王と別の道を進んだあたりで終わるのかと思いきや、そこから怒涛のダイジェストは失笑してしまった。もちろん本元のアニメがそれ以上に進んでいるから、多少省略しても原作を読んでる人間・アニメを最後まで見てる人間からしたら脳内でカバーはできるけれど、それでも凪視点で進んでいく2次選考は見て見たかった。

・終わり方はかなりダメなことをやったなと思ってしまった。あれは原作を読んでないと本当に置き去りにされてしまうだろうと思ってしまった。アニメだけ見てる人なんかはさっぱりだろうし、最終的にどこをターゲットにしたいのかブレまくっていた気がする。残念。

これが1クールやり終わって、エピ凪の2期が始まる前におさらいの総集編だよーって言われたら納得の出来なんですが、単体の劇場版で出すクオリティではないかなと思いました。
近年のスポーツ漫画のアニメ映画のクオリティが高すぎた分、ブルーロック特有のの迫力が削がれていました。アニメ2期での挽回を願います。

鑑賞日 4/21
鑑賞時間 12:55〜14:40
座席 K-9
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