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劇場版ブルーロック –EPISODE 凪のhirokiのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

日本一のストライカー育成所ブルーロックに集められた選手の中で、一際輝きを放つ天才凪誠士郎。アニメ第1期までの道筋を凪の視点から描いた作品。

凪誠士郎という人物はとにかく無気力で、何かに夢中になって頑張る人が理解できない。そんな彼にサッカーというスポーツを教えて、一緒に世界一になろうと夢を語ったのが御影玲王。凪は、無気力な自分を面倒くさがらずに一緒にいてくれる玲王のことが好きになった。だからサッカーなどに興味はなかったし、できればゲームをしていたいと思っていたが、玲王に連れられて仕方なくやっていた。

しかし、凪がブルーロックで、サッカーに本気な集団と凌ぎ合いをする度に彼の心に変化が生まれる。本気で何かに打ち込むことって楽しいし、俺こんなにやれるんじゃんって気付きを得られる。そして本気でやるからこそ自分より強い奴がいて負けた時に悔しいと思う。その心の変化や感情への気付きの過程が丁寧に描かれていてグッとなった。

そして、人が変わっていくことに対する周りへの影響というのがいかに大きいものなのか、玲王の葛藤を通して伝わってきた。いつも自分の近くにいると思っていた存在が、成長することによって離れてしまう。これは真理だなと思う。同じレベルの思考、熱量、意志を持った人が自然と集まっていくのが人間社会であり、自分だけが低いレベルに留まっていたり、逆に周りのレベルが低いとその場所に対する居心地は良くないものになる。変化をせず現状維持をすることは1番楽だし、自分だけじゃなくて周りも変化しないでいてくれたら、自分の居場所は守られる。しかし、今回の凪のように人は変わっていく。そんな時に、良い方向に変わっていく人のことを悪く言って自分は変わらないという選択をするのか、それとも同じ土俵で一緒にいるために自分も変わっていこうとするのか。私は常に後者でありたいなと思った。人の成長を素直に喜べる自分でありたい。そのために自分自身が成長していくことは必要不可欠なんだと思う。

この作品を通してとても大切なことを学ばせてもらった。私は今の安心を守るのではなく、成長を通して感じる新しい自分を求め続けていきたい。
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