この田舎のいやったらしさも、人情的なところもしっかり映し出されていて良かったです。
皆が皆、現実を武器に抑圧してくる社会の厳しさ。
誰にも頼ることなく、挫折し我慢し爆発し、そんな小さな小さな地方に住む不器用な家族のお話でした。
伝統工芸の美しさと厳しさを丁寧に真正面から映していたのが良かったです。
やればやるほど、まだ足りない。摩訶不思議な津軽塗。
家族でありながら、ライバルであり師匠であった祖父の発言を受け、再び始める覚悟を決めた父親、今まで抑圧されても嫌なことがあっても自らの意見を言えずにいた、か弱かった心で津軽塗を続ける覚悟を決めた娘。
ずっと平坦のような調子だと思って映画館で観ていましたが、実際はクライマックスは静かながらに厳かであり過去から脈々と受け継がれてきた伝統の力を表現しているような映画でした。
欲を言うなら、もっと人間の関係を深堀して欲しかったです。
同性愛の兄弟、凄く嫌味があるお母さん。
せっかく意味深なように描写しているなら、深堀をするべきだと思いました。
堀田さんが舞台挨拶で言っていたように、本当に陽の光がすごく綺麗な映画でした。
学校+夕陽はどんな条件下でも綺麗に見えてしまう病気を患ってしまっている。
-完成披露舞台