このレビューはネタバレを含みます
津軽塗を題材にしながらも、田舎に生きる人間の「こうでなければいけない」という固定観念への警鐘を鳴らす、とても大事な作品だと思いました。
他と比較してこの年頃はこうでなければいけないとか、長男は跡を継がなければいけないなど、あぁあるわー的な光景に腹立たしさを覚えました。
みっこが徐々に自分の意志で津軽塗を続ける事を決め、見事な津軽塗ピアノを完成させたことにやり抜くことの美しさを見ました。
命を全うしこの世を去る時、ひとつ大事な役割を持っていることを知りました。
散り散りになった家族が遺影を前に、少しの時間ではあるけれどまたひとつになれる。
離婚しても親への反発があっても、この世を去った人の前では一時的にそんな事情は無効になる。
ものすごい大切な役割ですよね!
またまた地元を題材にしたとてもとても良い作品が産まれました。
冬景色、桜、岩木山。
見慣れた景色の美しい瞬間を切り取ってもらえて、ありがとうございました!