クドゥー

攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.5
『いつか人間を超えても、ロマンチストでありたい』

既存の社会体系を脅かすポストヒューマンと公安9課の戦いが続く「攻殻機動隊」劇場編集版は、結局のところネットは広大でまとめられてしまった結末を外部人材が咀嚼したことで、親友と語り尽くしても消化不良の残るダブルシンクに光明を見るSF映画の最高傑作。

一見すると観客に解釈を委ねるようなクライマックスは監督の敬愛するアノ監督のアレな訳だが、素子が人とは違う境地にいると明言したことでそれすらどうでもいい本質が読み取れ、だからこそ「私たち」と言って去ったロマンチストへの感動が何千倍にも膨れ上がる。

一部を除いて人と接することが苦痛な僕のような人間にとって摩擦のない世界は理想郷であって、米帝の大作やクレしん映画なら「それが人生」と元も子もないことを言うのだろうが、日本のマンガアニメだけが真の意味でエンタメと新しい価値観を融合していると思う。

鑑賞記録
2023年11月23日
イオンシネマ海老名7THX上映
→チネでハシゴも出来たが黒江真由キャスト発表を挟み聖域鑑賞。レジェンド声優ボイスが尋常じゃなく艶めくトラディショナル音響、バキバキのレーザーでなくとも作品本来の色を感じる映像美。動員を見る限り二周目は怪しいので最優先ラインにしてもらいたい。
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