YukiHomma

Kunstkamera(原題)のYukiHommaのレビュー・感想・評価

Kunstkamera(原題)(2022年製作の映画)
5.0
ヤン・シュヴァンクマイエル「怪談」展にて。

大きめのiPadぐらいのモニターで立ち見というまさかの鑑賞スタイルだったけど113分見切った。この展示会に来ている時点でお客さんも相当なマニアだとは思うけど展示会を仕切っていた女性の方が多分かなりのシュヴァンクマイエルマニアなのか、他のお客さんへ作品の解説しているのを盗み聞いていてもマニアック過ぎてすごく面白かった。でも意外と『Kunstkamera』を最初から最後まで見ていたのは自分含めて2人ぐらいしかいなかった。んでこれがめちゃくちゃ良かったので1周半ぐらい見てしまった。2周したかったんだけども暑さと腰痛で断念した。
『アリス』ではウサギが、『ファウスト』では地図が、『Kunstkamera』では遂にシュヴァンクマイエル本人が不思議な世界へと誘ってくれる。もっと一品一品それぞれじっくり見たかったけどそうなると2時間では到底収まらない量のコレクション。逆にあんな矢継ぎ早な編集で113分ぶんもの素材があるという事がおかしい。まぁただひったすらシュヴァンクマイエルのコレクションを映すだけの113分なんだけどまぁファンからしたらそれは最高でしかない訳で。タイプは違うけど初めて『田園に死す』とかクリス・カニンガムの映像作品を見た時の、インスピレーションの源が物理的に殴ってくるような感覚で創作意欲が刺激された。何回かシュヴァンクマイエルのベッドとか食べ物とかコップのインサートも入ったりして、こんなに自分で集めた物に囲まれた空間で生活していると思うと彼の世界観が好きなファンにとってはただただ羨ましいし1泊でいいからしてみたい。途中からラストカット大喜利あるタイプのやつじゃんと思ったけど良いオチでした。
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