うにたべたい

アーミクロンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

アーミクロン(1995年製作の映画)
3.0
1995年上映のアメリカと韓国合作のアクション映画。
元はPOWER KINGという韓国の映画ですが、後にアメリカで追加編集され、再編集版はARMICORON IN OUTLOW POWERというタイトルがついています。
日本国内向けに販売されたDVDは、POWER KINGではなくアメリカ再編集版です。

宇宙を渡り歩き星々を征服して回る悪の化身アンカー、アンカーが次に目をつけた惑星こそ地球だった。
アンカーと戦えるのは宇宙を股にかけるスーパーヒーロー"アーミクロン"だけ、だがアーミクロンは先の戦いで既に息絶えていた。
風前の灯となった地球にはヒーローが必要だった。
と、壮大なスペースオペラを感じられるあらすじになっています。

主人公はハイスクールの学生・バリイ。
クラスでいじめられている彼は、ある日、いじめられっ子たちとパシリ要因として一緒にキャンプに行くことになる。
キャンプ場の奥に落下した謎の光に誘われたバリイは、森の奥で怪しい服装に身を包んだ美女二人に遭遇します。
彼女たちは宇宙支配を企む悪の帝王に故郷の星を滅ぼされた宇宙人で、次の目標である地球に警告を告げに来ました。
迫る敵の軍に絶体絶命の彼女たちだったが、その時、アーミクロンに変身できるペンダントが、バリイに反応します。
バリイはアーミクロンに変身できる有資格者で、アーミクロンの力を得たバリイは帝王ルーカスの使者と戦う、という展開です。

正直なところ、バリイは、学校の発表でゲームの美少女キャラをドヤ顔で紹介するような痛い系で、いじめられても仕方ないような低ヒエラルキーです。
そんな彼が苦労なしに都合よくウルトラパワーを手に入れ、美女二人をお供に明確な悪の帝王を投げ倒し、最後は都合よく美女二人を侍らせる陽キャに転身するという、いじめられっ子の妄想のようなストーリーです。
敵も"いかにも悪人"という感じの風貌です。
良く言えば展開がはっきりしてわかりやすいので、頭空っぽで観るにはいいかもしれません。

途中までは結構楽しめましたが、トントン拍子で進めすぎて尺が余ったのか、中盤の米軍とアンカー軍の戦いのシーンが妙に長いです。
そこで米軍が勝ってしまうとアーミクロンいらないじゃんとなるわけなので、ここは結果の決まっているプロレスシーンなはずなのですが、このシーンがまるで本作のメインであるかのような気合の入りようです。
アーミクロンの戦闘も、東映特撮が助言したのかと思うくらいしっかりできているのですが、アーミクロンの見せ場は短く、長くて少しだるい軍の戦いの印象が深くなってしまっているのは残念ポイントでした。
おもしろくなくはなかったですが微妙な作品で、おすすめはできないですがチープなB級ヒーロー特撮が刺さる人には刺さると思います。