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SAND LANDのEDDIEのレビュー・感想・評価

SAND LAND(2023年製作の映画)
3.9
美しい映像とストーリーライン。面白い!
水の枯渇した砂漠地帯。幻の水源を目指して人間と魔物が協力。次の行動への動機づけも明確で目的に向かう彼らに感情移入しやすい。
別種族の相互理解のテーマだが魔物も多種多様だと認識させられるのが良い。

鳥山明原作漫画の映画化ということで気になっていましたが、公開日から少し遅れてやっと鑑賞。

主人公のベルゼブブは悪魔、メインキャストの一緒に旅するのはラオという人間の保安官とシーフという魔物。
ベルゼブブは2000年以上生きているものの、悪魔としては若輩者の王子。言うなれば修行中の未熟者。
一方のラオとシーフはおじさん。なんならおじいちゃんです。
こんな登場人物がメインでありながら、それぞれの個性が光っていてとても魅力的でした。

ベルゼブブは悪魔の王子様ということで、想像の通りワガママ。「悪魔よりワルだなんてゆるされるとおもうか?」のポスターのキャッチコピーの如く、劇中にも同様のセリフはありますが、彼自身そこまで凶悪ではありません。
なんなら過去の戦争などの争い事に話を移せば人間の方が残酷。
そういう話が爽やかな鳥山明ワールドの中でも重くのしかかってくるので、全体的に物語としてのバランスが良いです。
戦闘については『ドラゴンボール』を想像すると物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、戦車を使った戦闘など、やるとこガッチリやってくれるのが好印象。

冒頭にも書いてるんですけど、ストーリーラインがすごく綺麗。
「なんでこのキャラは今これをしてるんだろう?」って疑問が湧かないように丁寧に作り込まれているのがとても良かったですね。

興行的にはイマイチみたいですけど、原作知らずとも入り込みやすい話なので興味あれば観てほしい作品ですね〜。

〈キャスト(声の出演)〉
ベルゼブブ(田村睦心)
ラオ(山路和弘)
シーフ(チョー)
アレ将軍(鶴岡聡)
ゼウ大将軍(飛田展男)
サタン(大塚明夫)
国王(茶風林)
スイマーズパパ(杉田智和)
パイク(遊佐浩二)
シャーク(吉野裕行)
グッピー(こばたけまさふみ)

※2023年新作映画123本目
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