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地球は優しいウソでまわってるのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

4.5
昨日レビューした「おとなの恋には嘘がある」のニコール・ホロフセナー監督最新作。今年のサンダンス映画祭でとても評判がよかったA24配給作品です。基本的な構図やテイストは同作と全く同じなのですが、笑い、切なさ、ほっこりの全てがさらにパワーアップしていて最高!特にコメディのセンスが冴えわたっていて映画館でゲラゲラ笑ってしまいました😊

作家のベスと精神科心理カウンセラーのドンは、アイスも二人でシェアしたり、23歳の一人息子も嫌がるほどのまるで新婚のような"おしどり夫婦"。自伝小説で成功したベスは、次作としてフィクション作品に取り組みます。小説は推敲を重ねる度に優しいドンに「とても気に入ったよ」と支えてもらいようやく完成し、出版社を探す日々。ところがある日、街角の店でドンがベスの妹の夫マークに「妻の次作はよくない。いまさら言うのも手遅れだ。」と話しているのを耳にしてしまい...

オシャレなNYを舞台に家族や友人などの間で交わされる「ホワイト・ライ(相手を傷つけないためにつく嘘)」がテーマになっています。さらにそれが主人公夫婦とその周囲の間の家族愛、そしてそれぞれの登場人物のキャリアの悩みと上手く絡められていて、どんな立場の人であっても激しく共感すること間違いなし!家族関係に悩むそこのあなたも、自分の仕事に悩むそちらのあなたにも絶対ぶっ刺さるはず。

しかも、それが自然な会話の中でめちゃくちゃ笑える形で提示されるんよ。ドンのカウンセリング、べスのライティング教室、夫婦や息子との会話、インテリアデザイナーの妹の仕事現場、もうどの場面にもぎっしり「爆笑」が詰まっている!でも切ないところはホント切なくて、マークの誕生日の食事会から飛び出したベスがドンに訴える場面はウルっとした。そして終盤は自宅ソファーでのドンの言葉、そして1年後の家族の姿ににっこり&ほっこり。映画が終わる頃にはべスたちのことが本当に羨ましく思えるし、でもそこで描かれているのは極めて普遍的なものだから、きっと自分もマネして彼らに近づけるはずと思わせてくれます。

自然体でキュートな演技もみんな最高。ベス役は同監督の「おとなの恋には嘘がある」でも主演したジュリア・ルイス=ドレイファス、ドンはザ・クラウンのフィリップ殿下を演じたトビアス・メンジーズ、息子エリオットは「モンタナ・ストーリー」での名演が記憶に新しいオーウェン・ティーグです。

予告編
https://youtu.be/20GWk5cWPBs
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