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地球は優しいウソでまわってるのakrutmのレビュー・感想・評価

3.0
夫のある嘘の発覚がきっかけに、夫婦の仲が微妙になっていく様子を描いた、ニコール・ホロフセナー監督のドラマ映画。

と書くと、何かドラマティックな出来事が起こるように見えるが、実際にはほとんど何も起こらない。(彼女の回顧録がなぜ売れたのかという背景が全くわからないが)回顧録で成功した主人公の女性は初めての小説を執筆中。編集者からはあまり良い感触が得られていないが、原稿を読んだ夫は小説の出来は素晴らしいと褒め、他の出版社に持っていけばとアドバイスする。でもそれは夫の本音ではないことを、夫と義理の弟の会話を偶然耳にした主人公の妻が知ってしまう。そのことで夫婦仲がなんとなくギクシャクしていくというのが映画の内容である。

現実感がある大人の映画と言えばそうなのだが、夫婦あるあるの平凡なエピソードだけで長編映画にするのは厳しいだろう。あまりにも何も起こらないので、レビューでも書かないと見たことさえすぐに忘れてしまいそうなほど退屈である。しかも、この嘘って、夫の思いやりから出た悪意のない嘘なんじゃないの。ショックなことはわかるが、そんなことでいちいち目くじらを立てるなんて心の狭い女性だなあと(男目線の感想かもしれないが)思ってしまう。アメリカでは本作の評価がとても高いようであるが、その理由がまったくわからない。出演している俳優も地味だし。

しかも、心理カウンセラーである夫のダメさ加減が何人かの顧客の反応から描かれるのだが、それらのシーンが何を表現したいのかもわからなかった。単にカウンセラーとしての腕が悪いというようにしか見えないし。

とにかく印象に残らない作品だった。
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