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さらば、わが愛/覇王別姫 4Kのdogのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

レスリー・チャンを観に行く。
コン・リーも良かった。
最近のリマスターブームはとても有難い。
歳を取ってもう一度観るという体験はなかなか得難いものがある。
展開が早いので、3時間弱あるけど思ってたよりだれない。
ボーッと観てると大事なところを見逃してしまうので注意が必要。
象徴的なカットを長く見せない。
レスリー・チャンの演技が良いのはいうまでもない。
どんな映画でも独特の気配を発している。贔屓目かもしれないが、少なくともこの作品では終始彼の所作や身のこなしに眼がいく。
同性愛を扱っていることもあってブエノスアイレスと比較してしまうけど、完成度が高い作品の上での演技ということで俳優レスリー・チャンを観ることにおいては比肩する作品はない。
逆に言うとブエノスアイレスは即興の良さなので、人間レスリー・チャンを観るものかもしれない。
芸が全ての人生で、運命に振り回され役者を取り戻した絶頂の瞬間に命を断つというこの作品の最後と作品の評価がレスリー・チャンの人生に与えた影響は計り知れない。
この役と本人の人生を重ねてしまうが、それはそれであるべき。
現在の難しい政治環境の中でこの作品を撮ったとしたら、何が変わらなくて何を変えないといけないことになるのだろう。
この不条理をどう描くのだろう。

レオン・ライとマギー・チャンが大陸から香港にきた男女の映画があった。
返還までの香港を舞台にしていた。
この映画も香港で作られた。

生成流転。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

同じ映画を撮ることは出来ない。
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