映像も物語も演技も全てが素晴らしく、3時間弱の長尺も全く気ならず、圧倒されっぱなしでした。
京劇の女形役者の程蝶衣、彼が想いを寄せる覇王を演じる段小樓、その妻菊仙。時代に翻弄されながら形を変えていく3人の関係性。
蝶衣と小樓の関係性は、少年期からの壮絶なエピソードをじっくりと描くことにより、より深さを増している。50年の様々な出来事や想いを見せつけられた上でのラストシーンは、それはたまらないものがあります。
蝶衣と菊仙との関係性の移り変わりもまた興味深く、終盤で楽屋に残された2人のやりとりが印象的。
そして、文化大革命の波に飲まれていく3人…。
美しく儚いけれど、鮮烈な物語。レスリー・チャンの演技も心に残る。観賞後もしばらく後を引く、素晴らしい作品でした。
