このレビューはネタバレを含みます
【吉祥寺プロジェクト】
『ABYSS』と『TATEISHI』(甲斐さん初監督作品)の併映の日に鑑賞。正直、目当ては『TATEISHI』だ(笑)
『ABYSS』も海がテーマの背景にあり、『TATEISHI』もがっつり海の小作品。偶然にも共通点があったのが幸い。
『ABYSS』の海は引き込まれたらダメという、ある意味、都会の夜の、裏社会のメタファ―とも取れる描かれ方。それに対して、甲斐さんの海は「還る場所」というニュアンスか。
『TATEISHI』は、お店で最初に見せてもらった時(まだプロトタイプ)、「ずっと見てたら戻ってこれなくなりそうでしょう」と甲斐さんがおっしゃって、— 内心、いや、それほどでも・・・と正直思ってましたが(笑)— 戻ってこれるように、編集や音響で工夫を凝らした上映用の作品は、むしろ戻ってこなくても、そのまま海に抱かれていても良いのではなかろうかと思える、心地よい温かい作品に感じました。
単品で観るのと、別作品と一緒に観るのとで、見え方、ニュアンスも変わるのかもしれない。面白い鑑賞体験ができました。
またあれこれ、甲斐さんと、あるいはこのプロジェクトに関わったご近所さんたちと、両作品について、後日語り合いたい。