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『水の中で』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.2
 東京フィルメックスの最前列右寄りで観たのだが、明らかにピント(焦点)が合っておらず、映写環境の不具合だと思い隣の人に話しかけたら、「これが演出らしいです」とのことでしばらく我慢して観ていたのだが、ピントは最後までぼんやりしたまま。コロナ禍で自分でカメラすら回し始めたホン・サンスのカラー・コーディネートは『あなたの顔の前に』では緑の草むらの発色が明らかにおかしく、『小説家の映画』においても不自然に足元が切れた構図のおかしな映像が散見された。これはホン・サンスの居直りというべきか、プロのカメラマンが撮っているのではないのだから、ある程度許容しろとのメッセージにも読み取れたのだが、今作は流石にダメというか制作側が撮り直しをさせなければダメな案件だと思う。それでも屋内に引っ込めばISOレベルも落ち着いて来るのだが、戸外に出れば光量の関係で全てがハレーションだらけのボケみのような映像になってしまう。

 おそらく声からしてシン・ソクホだと思われる俳優が今回は監督を志し、短編を取りたいと港町の避暑地に後輩の俳優とカメラマンとを誘うのだが、3人の間柄が何とも微妙で、モラトリアムを引き摺ったような監督とカメラマンによる女優の引っ張り合いによる恋の鞘当てを、いつものホン・サンスの飄々としたやり取りで延々と見せられる。役者とカメラマンの主従関係の入れ替わりは『小説家の映画』と同工異曲で、それ自体がメタ的なフィクションにも思え、おそらく女優が夢で見たとする2人のおふざけは現実と虚構とのフックとなる。結局、映画製作は遅々として進まず、最終的にシン・ソクホが目指した即興上の脚本はデジャブのような清掃人とのやりとりの反復を映画として結実させたに過ぎない。中盤までは女優とカメラマンに嫉妬心を抱いていたはずのシン・ソクホも途中からは抜け殻のような姿になり、最後の圧倒的な存在の欠如というか不在。そこにホン・サンスによる意味不明な逆回転のアシッド・フォークが流れるという商業映画の範疇にはとてもじゃないが入れることは出来ない何ともとち狂った作品である。
[ほぼ全編ピンボケ映画] 40点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。2020年から3年連続でコンペに選出され、なんらかの賞を取っていたのだが、今回でその記録はストップしたようだ。さて、本作品は男女三人組が済州島を駄弁りながら歩き回るという60分の中編である。ソンモは長年俳優をやってきたが、今回は短編を撮りたいということで、知り合いの女優ナミと元カメラマン?のサングクを呼び出してロケハンをしているのだ。全財産をはたいて二人を呼び出したわりに、脚本も何も決まっておらず、いたずらに時間だけが過ぎていく。映画についてサングクに聞くわけでもなく、テコンドーをやっていたというナミにも見向きもせず、ただただフラフラしている。なんといっても特徴的なのはほぼ全編ピンボケということだろう。"ほぼ"と書いたのは、顔すら判別できず観ているコチラまで目が悪くなりそうなピンボケ映像から、ちょっとボケてる…?くらいの映像まで含まれているためである(室内のほうがボケ量少なめなのは絞ってるからか?)。ベルリン映画祭公式HPには"印象派の絵画のようなイメージ"とあるが、そこまで大仰な表現はあまりそぐわない。寧ろ、ホン・サンスの視力の衰えを反映しているという説の方がしっくりくる。生まれてきたいと願ったことはないが、生まれたからには何かを成し遂げたい、映画を撮って名誉が欲しいと言う主人公は、虚構の虚構の中で海へと入っていくわけだが、そのBGMが元カノに送ったバースデーソングというのがなんとも。
sonozy

sonozyの感想・評価

3.5
ホン・サンス監督による、全篇アウトフォーカス(ピンボケ)させてみた実験的な作品。
恋人キム・ミニはプロデューサーとして関わったようです。

俳優だった若い男ソンモが短編映画を撮るため、同じ学校に通っていた友人男女を連れ済州(チェジュ)島にやってきた。
一人は演者のキュートな女性ナムヒ、もう一人はカメラマンの男性で、かつて撮影監督だったのかな?今は映画会社で働くサラリーマンのようだ。

1週間ほど滞在する予定だが、どんな作品にするか決めていないソンモは二人を連れて島をロケハン的に歩いたり、宿に戻って3人で焼酎&食事したり。

岩場で自発的にゴミ拾いをしている女性を見つけ会話したことをきっかけに、そのことを題材に撮ることにする。

前半3人が部屋でピザを食べているシーンはほとんどボケを感じないものの、それ以外は、"水の中(In Water)"感覚というより、メガネ/コンタクトを外して観ているような、絵画を観ているようなシーンもある不思議な60分間。
高画質に慣れきった目に新鮮な視聴体験でした。

※海外サイトでは原題『물안에서』読みの『Mul-an-e-seo』と表記しているところもあって興味深い。

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