熱と自由さが溢れていているけど、作品としても面白い!
映画監督の小島桐子はロードムービーを撮りたいと思っているが、限られた予算や決まらないキャストなど数々のトラブルに見舞われる。理想と現実がずれていく中で、彼女はある選択をする。
普段は卒業制作とかの作品はあまり観てこなかった(避けてたというよりは機会やタイミングを見落としてた)のですが松井大悟監督もトークショーに出られるという事で鑑賞。
結論、めちゃくちゃ面白かった。
インデペンデント系の自由な演出だったり監督が台湾出身という事での微量ながらも異文化の味がとても良かった。
映画を作る映画っていくつかあるけど、本作は作中作品にもリンクを感じられて熱がより熱く伝わってきた気がした。
作中作品と本作の境界線ははっきりとしているけど本作と現実の境界線をあやふやにしてくる演出もとても特徴的だった。
最初は台湾の文化に触れつつ少しメタ的な演出かつ映画館で流れる映画マナー講座みたいだなぁと思っていたら最後の最後に繋がると思っていなかったからびっくりしたし、最後は遊び心なのかもだけど映画館で見てこその面白さだったように思えた。
話の内容も熱があって面白く、本筋である映画作りの紆余曲折もだけどサイドストーリーにあたる桐子の自宅での話だったり、同居人とのやり取りで映画監督じゃ無い時の人間性が見えてくるから応援したくなる。
実家でお父さんが作ってくれた焼きそばがめちゃくちゃ美味しそうだった。あれは桐子にとっての家の味なんだろうなぁ。本筋じゃ無いけど本作でこのシーンが一番好きかも。
お父さんの応援の距離感も素敵で、焼きそばを作ってくれるシーンと自転車を直してくれるシーンあの数分だけで父娘の関係性がはっきりと見えたのも良かった。
アフタートークショーでも話題になったけどたまに入るTSUTAYAのシーンや映画館スタッフのシーンや笑顔の撮影のシーン、あれらを入れる拘りは凄い。TSUTAYAや映画館はまだ馴染んでいたけど、笑顔の撮影シーンは衝撃的だった。
シーンの切り替わりであのトランジションは驚く人多そう。映画表現の自由を感じた。
学生映画に一層興味出た。
主演の山本奈衣瑠さんは「猫は逃げた」でも本作でも猫が脱走するのですが、偶然の一致だそうですw次もし山本奈衣瑠さんが猫飼ってる作品に出会ったら観ててハラハラしちゃうかも🐈