完成披露試写会にて
本編中"周りの声"が本当に煩わしくなる作品。
これはもちろん意図してだとは思うけど、これに関してはとにかく観て確かめてほしくなる。
娘が行方不明になってしまった一組の夫婦と、それを取り巻く環境・メディア・SNS、生々しいドキュメンタリーのような映画だった。
そして自分自身の立ち位置が"誰寄りか"が大きく変わりそうな作品だった。
てっきり自分は、子どもが行方不明になってからSNSの攻撃(口撃)がどんどん激しくなっていき、いわゆるSNSの暗部を描いていく作品だと思っていたんだけど、そうではなかった。
もちろんそういう要素もありつつだし、本編中に激怒してしまいそうになった瞬間すらあった。
それほどまでに没入できるヒューマンドラマだった。
特に夫婦を演じられた、石原さとみ&青木崇高の演技がものすごく良くリアリティに満ちていて、これも没入にものすごく働いていた。
試写会前の舞台あいさつで石原さとみが「自分を壊したい」と言っていたそれは実現したのではないかと思う。
あくまでヒューマンドラマであり、ミステリーやサスペンスの類ではない。
ので観始めのイメージによって感想は異なってしまいそうだけど、とにかく衝撃作であることは間違いなかったと思う。
また舞台が静岡県沼津市で、自分の近所だったりちょいちょい行くところで撮影されてたので、よりリアリティが増した気がする。
あ!沼津が治安悪いとかそういうことじゃないです!
とにかくこの作品は何度も観たいけど、繰り返し観るには、体力と精神力が必要かも。