YutaHirai

ミッシングのYutaHiraiのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

この映画を、どう捉えるか。
「ミッシング」と言うタイトルから
ただ子供が見つからないのでなく
一定的に我々は何かを失っているのではと
総括。
(子供がいなくなった話であれば
ミッシングでなく、ロストだと思うので。
どうでもいいですが。)

子をもつ親としては、夫・豊の、何とか冷静に物事を進めていこうという観点は共感しつつ母・沙織里が記者・砂田を頼みの綱と言わんばかりに頼る姿に見える、嫉妬心も感じ男の感情論、女の感情論が見え隠れする場面で「これが人間だな」と全体的に共感しました。

(その砂田も仕事において、色んな感情が見え隠れしてはいるところも、ああ、こういうのあるあると思いながら見てました。


映画の中で特に印象に残ったシーンは
母・沙織里がいたずら電話により、失禁してしまうシーンは突き上げた喜びから、一気に絶望へと叩きつける表現がなされ、もうしんどすぎる、、、場面だったのでは、というところです。絶望という言葉が一番でてきました。

終始感じたのは、カメラワーク。
微妙にブレながら、揺れながら映し出される映像が子どもが失踪した、ある1家族における人間模様を外から見ているような感覚でそれはまるで、スマートフォン片手に撮っている自分がいるようで、少し気持ち悪くなってきました。(いい意味で。)
1家族における1つのストーリーですが、真相を掴むまで見えないトンネル感情は

早く早く抜けてほしいと思いながら没入していました。見ている側も映画を創り上げる一人のエキストラの様で、何かそこも良い気持ち悪さが有りました。

母・沙織里を演じた石原さとみさんについては、どこまで共感できるものなのか、あの感情はオーバーすぎるだろうと男の人は思うのでないでしょうか。しかし、自身で産んだ女性からすると、絶対あの感情にはなるのではと思いました。
なので、これ夫婦とかで観るというより子どもがいらっしゃる男の方が観るのが一番良い。と思います。

それにしても石原さとみさんの役作りが圧巻でした。色も剝がれてブリーチで痛んだぼさぼさの髪に明らかにボロボロの肌感と色素抜けたような唇は今までの彼女の役柄からは考えられない壊れた衝動を受けました。(もう目を逸らしたい気持ちでした。笑
YutaHirai

YutaHirai