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ミッシングのsaeriのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.5
Filmarksの試写会で一足お先に鑑賞させていただきました

先だって本プロモーションにて主演の石原さとみが7年前に吉田監督に直談判して、作品に出して欲しいと熱烈コールを送っていた話は聞いていたので、7年後の本作は吉田監督が石原さとみ向けに作った作品なんだと思う

それを踏まえて観るとどうしても「脱・石原さとみ」のためにこれでもかと狙いすぎた過剰な演出が鼻につき、必要以上のショッキングなシーンを見せられて正直気分を害したため、本筋とはややズレた感情が湧いてしまった(「ミッドナイトスワン」の草彅剛を観た時と同じ感情)

今までの役とは違うの!今までの石原さとみとは違うの!いやいやそれを声高に言われても、俳優ならどんな役でもやって然るべきの考えの私にはそこをわざわざ推す必要性を感じない
我が我がの石原さとみより、主演を立ててくれた青木崇高のできた人間性にクラクラした舞台挨拶でした

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吉田監督は初期作品から観ていて、「告白」あたりからマスメディアに対するやや穿った価値観や攻撃性を感じるようになった
そんな本作も、娘を失った夫婦、それを追うメディア、事件を面白がる外野のネット民と、安易に影響される身近な人間たちを嘲笑うかのような視点で描いている

結局のところ、失踪事件のようなネタになる題材に群がるハイエナのような人間の心理を炙り出して、観ている私達の良心を試し、揺さぶっているのだ

もし、自分が事件の当事者となった場合、どこまで自尊心を保ちながら向き合うことができるか?またどこまで相手を思いやれるか?を考える機会としては良かったのではと思う


【余談】
テレビ局のシーンで「ジェイコブ」のポスター見つけてクスッとしてしまった笑
観た人は気付いたかな??

#ミッシング試写会 #心揺れるミッシング
#神は見返りを求める
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