このレビューはネタバレを含みます
苦しかった……
ほんともう吉田恵輔監督
「空白」以来の呼吸困難案件
多角的であらゆる登場人物は観る人全てが誰かの立場へと置き換えられるようないつの間にかスクリーンとの堺を超えてしまう感情のパッションと独特の狂気、「空白」で横っ面はたかれた𠮷田恵輔監督に本作でも今度は奥底に眠る何かを叩き起された…もうやめて!!と思わず声がでそうになる苦痛
石原さとみさんの壊れそうな感情の動きと無常に過ぎてゆく時間、不安と祈りと願いと虚しさ憤り一縷の望みに縋る思い想像すら嫌だ!!ある場面では腹立たしさで気づいたら噛み締めた奥歯が痛くなり…母性の行先を失った彼女の一挙手一投足と青木崇高さんの姿に共感より切なさに涙が溢れていた
狂気の向こう「ヒメアノール」を最後まで観て不気味さ気持ち悪さがひっくり返った瞬間の痛みと息苦しさは今でも鮮烈で二度と観たくないとさえ思った「神は見返りを求める」では少しだけ優しさや救いみたいなマイルドさを感じたが同じくもう観たくないけど観てしまう作品にさらに名を連ねる そして「空白」、「ミッシング」
またやられてしまった…
そしてまた、観てしまうのだろうか
いつか来るかも知れないエンディング、いつまでも来ないエンディングを𠮷田恵輔監督に求めて、そこにあるそのスクリーンから飛び出したいと願う感情と共に