杏

ミッシングの杏のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.5
石原さとみの演技に感情タコ殴りされた...
キラキラ唇ぷるぷるの石原さとみはどこにもいない、ただの一児の母がそこにいました

石原さとみが6年前に吉田監督に直談判したというこの作品
実際に一児の母となった石原さとみは役に同調し心身共にボロボロだったよう... 頑張ったなさとみ(誰)
いや余裕でアカデミー賞最優秀主演女優賞ですよね?華やかな石原さとみしか知らなかったわたしは正直舐めてましたこんな演技ができる人だとは思ってなかった本当に申し訳ありません

指輪を付けた二人が手を重ねるシーンだったり、ふとしたときに夫のTシャツの裾を掴んだり、そういう夫婦間の細かい描写が好きでした
衝突はするけれどちゃんと支え合って夫婦をやってる、本当に強いふたり

弟役の方が特に印象的で黒目が大きくて何を考えてるのかわからない、最初は不気味で怪しいなって思わされていたけれど、過去にトラウマがあって誤解されやすいだけでちゃんと美羽のことを思っている
背中に薬を塗るシーンでわたしもわんわん泣いてしまった

イタ電で失禁するシーンは見てらんないくらい辛かった
絶望と光の描写のギャップで感情ぐちゃぐちゃだよ吉田監督...
泣けるシーンがありすぎるほどあるけれど、虹色に反射する娘の絵を撫でるシーンは格別で良くて泣けました

苦しい、苦しい
でも明るい兆しを探している
サントラ聴きながら帰っていて街灯をぼーっと見ていたら、円形の虹のようなものが見える虹視症という現象が起きて気付くと涙が伝っていました
久し振りに感じる余韻での帰り道でした
杏