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ミッシングのごはんのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
5.0
吉田恵輔作品でこの予告なら見たら重たい嫌な気持ちになる事はわかってだけど、不思議なものでそれでも見てしまうし、案の定やられた…
そういった意味では全く期待を裏切らないすごい作品だなとも思うが、人にはなかなか薦めにくい。

現実の行方不明事件でもSNSで好き勝手言われてるわけで、そのあたりの気持ち悪さもなんとも…


「石原さとみさんの演技」
今まで何か出演作品見たっけなぁって思うとシンゴジラくらいしかなく、CMくらいの印象だったけど、本作の演技はエグかった。
警察署のシーンは目を逸らしたくなるくらい。

「子育て」
経験がないけど、楽しそう幸せそうに見える親子であっても子育てってきっと大変。
たまには息抜きしなきゃと思うけど…
「LOVE LIFE」では一瞬の出来事で子どもを失ってしまうし、子どもって本当に目の離せない存在なんだとは思うけど、うーん。

「事実が面白い」
常々思っているけどフィクションより現実の方が面白い。現実だから面白いのかも。
映画のようなエンタメももちろん大好きだけど、エンタメだったら逆に大袈裟すぎてつまらないだろって思うようなすごい事が時々現実で起きたりすると思う。
本作のような解決していない事件もそうだろうし、最近だと某野球選手の通訳の〜なんかも、現実でそんな事起きる?って感じだった。
あんなのフィクションだったら、そんな設定やり過ぎだって…思う事もたまに現実になる。
面白いにもいろいろある気がするけど「事実が面白い」ってのはなんとも腑に落ちると言うか、本当その通りだなと思った。


「正しさ」
最後まで正しくいられたのは誰だったのかな?
夫の豊かなと思ってるけど、冷静故に何か足りないのかな?
中村倫也演じる裕樹はマスコミとして正しくいようとしたけど、組織には従わざるおえなかった気がする。
石原さとみ演じる沙織里は必死故に何かズレてる事に気がつけなくなってるし…


「気を遣うのも気を遣えていない」
あるあるな気もするけど気を遣う事が逆に失礼みたいな事あるよなぁ…
気を遣ってるって思われた時点で気をつかえていないのかもしれないけど…
しんどいなぁ…


「ロングインタビュー中の…」
中盤あたり?の夫婦宅でのロングインタビュー中のセリフの一節…
…いや、自分も頭をよぎったよ。
でもそれを言うなよと思いつつ、こんな場面で同じ事を思った自分もなんと言うか同罪というか…
吉田恵輔監督なんて人が悪いんだ!!
監督性格わる…と思うシーンとしては終盤の車内のシーンもなかなか…
ここで沙織里の好きだったアーティストの曲流れるってなかなか…


いわゆる見せ場みたいな盛り上がりは無い感じだけど、見てられないような、そんなシーン本作においてはそれが見せ場だろうか?はいくつもあった。

2時間くらいでそんなに長くないけど、つまらないと言う意味ではなく、異様に長く感じた…

どっと疲れたと言うか、現実とあまりにも地続き感ある感じもやたらと突き刺さってくる作品でした。


そうそうテレビ局の番組ポスターに「神は見返りを求める」の着ぐるみみたいなのがいた気がする。
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