このレビューはネタバレを含みます
石原さとみがこれまでのイメージを覆す粗野な演技でまず圧巻。
我が子を拐われた自責の念に駆られつつ、何としてでも捜し求める執念が空回りして感情の起伏が乱高下し、度々怒りを炸裂させるなど見ていてやるせなくなるが常に刮目せざるを得ず。
キャスティングも絶妙で、主人公の母が美保純であった時点で本作の勝利を確信。
まっとうな職業倫理を抱き取材をするが、視聴率至上主義の地方テレビ局の方針との板挟みとなる中村倫也のビターな佇まいも素晴らしかった。
虎舞竜?、上司に抗議してからの全く聞いてない「深呼吸」、ある報道を見て自分のバカさに呆れつつも我が事のように涙する主人公、ラスト付近のアート性など多層的な魅力に満ち溢れた大傑作。