かわうそ

ミッシングのかわうそのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

非常に胸が苦しい。
ライブに行ってなければ、弟に預けてなければ、ちゃんと家まで送り届ければ、ピアノ教室を続けていれば、結局タラレバの話になってしまう。そんなことを思っても、戻ってこないのに。なかったことにはできないのに。

いろんな人の葛藤が見える。
母親の沙織里。責任は感じずにはいられないだろう。大事な一人娘を失ったら、感情的にならずにいられない。それに、人に当たってしまうのも仕方ない。周りの人間に自分の気持ちがわかるはずがない、と思ってしまう。
夫の豊。冷静に見えるが、沙織里の様子を見てると自分がしっかりしないとという気持ちになるのだろう。だからこそ、1人でタバコを吸っている時の涙や、最後さくらちゃんを見た時の涙があるのだろう。
弟の圭吾。人一倍責任を感じているだろう。世間からは凄くバッシングを受けていたが、沙織里から送られてきた動画で普段から仲良くしているのがわかった。結局世間が見えている背景は一部なのだ。
記者の砂田。マスコミという立場で会社員である以上、上の指示には従わなくてはならない。そこの葛藤。マスゴミ、と言われがちだが、砂田のような人間がこの世を少しでも明るくしてくれるだろう。

こんな世の中になってしまったが、印刷屋のおじさん、ミカン畑で一緒に働いてた女の子、被害にあってた親子、人の優しさは失われていない。寄り添ってくれる人は、いる。

24.56 新作25
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