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ミッシングのfocenokanom0928のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0
7年前に石原さとみさんが𠮷田恵輔監督の作品を観賞したことがきっかけで、石原さん自ら吉田監督作品への出演をオファーし、実現した本作。

とにかく吉田監督の脚本、演出が秀逸。
過去作も含め人を嫌な気分にさせるのがとにかくうまい。
その中にすこしの救いがあったり、絶妙なバランス感覚。

監督は石原さとみさんの演技の熱量にあわせて、その場で脚本を変え微調整していったとのこと。

吉田監督と石原さとみさんだからこそ成立した演出だったと思う。
他の役者陣もとてもよかった。

石原さとみさんは、自分と沙織里との乖離があり難しい役柄だったとのことだが、観客である自分も、石原さんと沙織里との乖離で、しばらくしてからすこし柄の悪い人という設定なんだなと見慣れるまでは戸惑う部分があった。

虎舞竜(ネットに書き込まれる可能性があると思ったためかカメラマンから不意に出た言葉)、いたずら電話、弟との車中で流れる音楽のタイミング、行方不明になった別の女の子のチラシを善意で増刷してくれた印刷所のおじさんからもらった後の間の悪い朗報、意地悪だなーと思うけど、そこがうまい。

色のついたガラスを通してうつる光に沙織里が手をかざすシーンでほんの少し救われた気分になった。
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