とし

ミッシングのとしのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0
これはすごい作品を観た。
石原さとみさんの新境地と聞いて観たのだけれど、まさにその通り。迫真の演技だった。

我が子が失踪してしまった夫婦、その妻の弟。
誘拐事件だとしたら、家族や親戚に責任はないはずだが、「こうしていれば‥‥。」と考えてしまうのが性。

やり場のない気持ちに壊れそうになる家庭。
でも、二人揃って慌てていたら‥‥と、冷静でい続けようとする夫も、他人の子が見つかって「本当によかった」と言える妻も、2年ぶりの再会で涙ながらに謝る弟も、この家族はみんなみんな優しくていい人なんだって。
よりによってこんないい家族の子どもがどうしてって。

最後の最後に夫が涙を流すシーンもグッとくる。
青木崇高さんの演技もとても好き。

世の理不尽さを描いている作品。

終始重い雰囲気漂う作品だけど、実際にこういう経験をしている家族もいるのだと思うと考えさせられる。

同時に報道のあり方や、ネットでの誹謗中傷に対しても一石を投じた作品。
気持ちは重くなるけど、観る価値は多分にある作品。

24-58
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