Busceo

ミッシングのBusceoのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.8
まだ実際の事件が頭に浮かんじゃう時期に、すごく繊細にバランスが考えられた作品だったと思う。

でも監督の意図がどうあれ、やはり石原さとみは市井にいることが不自然レベルのルックスなので、どんな演技をしても、どんなに憔悴しても、例えお漏らしをしたとしても「石原さとみが」頑張ってんなあと思ってしまうのでやはりミスキャストなんじゃないだろか。申し訳ないけども。いや話題性はあるから興行的には適任なのか。

カメラマン佐々木インマイマインヤバいけど、あんぐらい負の意味で外部性を保てる人じゃないとやってけない業界って気はするよな。だからこそほんとにヤバいのはあんなまっすぐ正義感にあふれているのに変わらず仕事続けられちゃう中村倫也というか。あれは常識人の皮を被った狂人だと思う。いつか正義で人を殺しそうなのはむしろ砂田なんよな。

そして瞳がつぶらすぎて底知れぬ空洞にしか見えない森優作さん、今回も中身がまったく見えない瞳で良かったです。

ここからは完全に俺側の問題なんだけど、空白のときと同じく子を失った親の「それでも人生は続く」の最後に一筋の希望めいたものを入れるの、まだ受け入れきれない。いや実際子を失った人は沢山いて、その人たちの人生に希望はもう生まれないとか言えないし、その人たちだって楽しさを感じ、笑顔になることなんていくらだってある(あって欲しい)と思うけど、当事者以外がそれを描くことに倫理的是非や合理性を越えた抵抗があるというか。

柳ユーレイが漢字表記になってたのが印象的でした。
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