マサミチ

ミッシングのマサミチのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
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吉田監督は本当にメディアが嫌いなのだな。その割りには公開前にテレビに石原さとみと出ていたが。

オープニングに子供の無邪気な姿が映るだけで、いきなり失踪後の家族から始める省き方には驚いたが、不快ささえ感じるほどの疲れきってヒステリックに夫に当たり散らす石原さとみのお芝居は悲壮でいて、失禁場面や円形脱毛まで見せる徹底ぶり。

地方ローカル局の報道記者を演じるのは中村倫也。真実を真摯に伝える報道の本来の在り方と現実主義のスクープ報道との狭間で揺れる姿はリアルなのだろうけど、正直に云えば一番偽善ぽく映る。それがこの監督の狙いなのかもしれない。

僕は子供がいないから恐らく本当の意味でこの映画の怖さを受け止められていないのかもしれない。お子さんがいらっしゃるご家庭の方が観たらやり切れない気持ちになるだろう。

真実を伝えるのが報道と酔いしれるように熱弁する中村倫也演じる記者に対して、その真実が面白可笑しいんだよと突きつけるように当たる刑事の言葉がこの映画で一番の肝なような気がする。

辛い作品でした。
マサミチ

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