断面図

ぼくたちの哲学教室の断面図のレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
3.9
メモ📝

同じ血の色をしている。そうだねOk boys.


問いに問うこと。


行動と同じくらい、子供って表情に感情がでる。


指の体操。本当にリラックして欠伸しちゃうとこかわいい。



だんまりしてしまったり、うまく答えられなかった子どもたちのシーンは多分カットされてるのだろうけど、議論の場でしっかりと自分の思考を話せる子どもたちばかりで驚く。日本人の大人より、わからないと答える子もいたのだろうか。



ごめんね、と謝るときに相手の体に身を寄せてハグすること。日本人に足りないこととは言わないけど、日本人にはない習慣というのを自然の摂理のように振る舞う彼らを見ると実感する。


最後、校長が子供に親の立場になる逆転の講義。取り組みとしてはよくある構図かもしれないが、それを授業で一貫して実施するのと、会話のやり取りに感動してしまう。僕のこときらいにならない?今も?失望した?そこなんだよなと。子どもが親に従おうとするのは、本能的に愛されたいと求める人間の欲求であるから。いうことを聞くことは良いなりとも取れるのだが、あくまで最適解のための手段と行動でしかなくて、哲学でいう思索の部分は、親から好かれたいという気持ちそのものだということ。


考えられないことよりも、問えないことの方が重大。問いがなければ考えも生まれない。


思考の無意味は無い、それは答えを出すため、ではなく、考える、ということを行うため。目的でしかない。でも人間だからそれでいい。もはやそれしかできない。


最後まで納得がいかなかったらどうすればいい?それこそ、アルフィーがトニーを殴ってしまった時、わからない。と答えたように、涙をこぼしたように、わからなかった時、どうしたらいいのか。その状態が苦しくて酒タバコドラッグで人は一時を凌ごうとするわけだから。哲学でそれを解決しようとするのが間違ってる?先生は解決しようとはしてないのか。


子供の表情の中に、ドキリとする大人びた眼差しを感じて、焦る。


勉強以外の学びを、家に持って帰り家族事にするという仕組み。文化と教養の違いを感じる。


ホーリークロスの子は、一生ホーリークロス。これは、人によって、呪いだし呪詛だろう。そんなことを考えてしまう人間は、ピストルを構える。壁画にはならないし、なれない。


学校保健師になってみるかと血迷ってきた頃の自分を思い出したのと同時に、きみは責任を負わない方がいい確実に鬱の空回りするからという言葉も思い出し、エルヴィスプレスリーを聴くほかなかった。


やっぱり何度思い出しても、アルフィーのことが気になる。自分の妹のことを、僕の喜びだ、と唱える子ども。どうして、しゃがみ込んで涙を抑える。自分の感情をコントロールできない様を見ているともうどうにも。わからなくて怖いよね。わからないことがわからなくて、ずっと不安だよね。大きな声を出しても、両手をロボットみたいに振り回しても、いいよ。君の中に抑えきれなかった感情と戦っても逃げてもいいよ。助けてあげられなくてもずっと一緒にいることだけ、約束してあげられる。
断面図

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