幽斎

サイレント ルーム: MK ウルトラ プログラムの幽斎のレビュー・感想・評価

3.8
【幽斎的2023ベストムービー、スカベンジャー最優秀賞】
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第32界。原題「Silent Room: The MK Ultra Program」長い(笑)、理由は後述。過去のスカベンジャーで最もレビューの少ない地下映画。AmazonPrimeVideoで200円鑑賞。

私が鑑賞した時はレビューはフォロワーさんの白目うさぎさんだけと言う惨状(字幕は改善されてた)。よくジャケ写が有ったなと、しかもUS版とは似ても似つかぬ謎仕様。何時もイラン事まで能書きタレてるFilmarksのあらすじも丸でヤル気ナッシング。アマゾンって作品検索がクソで有名ですが、此の作品に良く辿り着いたと声を大にして叫びたい。私は予告編から侵入した(笑)。
www.youtube.com/watch?v=h8r4M8y6hpI

本作はTVムービーでは無く、しっかり劇場公開された作品。アマゾン謎映画では比較的新しい2021年制作。Drew Stewart監督の自主制作で当初は「The Quiet that Kills」と言うタイトルで、前作「The Brazilian Connection」はNYC Indie Film Awardsで作品賞候補と注目され、本作のCJ役Thiago Palmaが「金を出すからタイトルを変えてくれ」頼まれ「Silent Room」改題。The MK Ultra Programは配信版の副題。

「Project MK-ULTRA」CIAが秘密裏に実験した洗脳プログラムのコードネーム。悪名高いグアンタナモ収容施設の拷問の過程でマインドコントロールを行う等極めて非人道的でアメリカ政府も認めた黒歴史の筆頭格。朝鮮戦争で中国のアメリカ軍捕虜の実験を、逆輸入して始めたと言うから開いた口が塞がらない。1990年「ジェイコブス・ラダー」MKウルトラに酷似した作品等、スリラーの定番ジャンルでは有る。

劇場公開した分だけ超低予算を考えればコンセプチュアルは悪くない。イメージとして私の生涯一位作品「SAW」っぽく、真っ白な部屋に閉じ込められたElan Kwiecinski(全く無名だけどスタイル抜群!しっかり美人)が実験の過程で精神に異常を来し自我が崩壊。首謀者Oscar Laresの過去が現在の実験と交錯して逝く。79分と短めでスマホを見乍らでもサクッと観れるが、実はスカベンジャーの中でもお薦めクラスのスリラー。

低予算のお約束で時系列がチャプター毎にクロスするので、一本調子に見えた「SAW」は偉大だが、オチは伏線もフェアに仕込まれレトリックに関して監督の、特に脚本について才覚も感じた。次回作「Aberdeen」クライム・スリラーなので名前だけでも憶えて置きたい。実験パートはパッと見「何ヤッてんだよ」幻覚のオンパレードで、小馬鹿にしてると思う壺なので油断為さらぬ様に(笑)。

私は「007」好き過ぎて以前はボンドカー「ロータス・エスプリ」所有するおバカさんでしたが(笑)、流石にレストアに金が掛かり過ぎで手放して、今は普通の国産車に乗ってますが、外車の購入を検討されてる方に本作を観て一つ勉強に為るシーンが有りました。

「BMWを欲しがる奴は無能な人間だ!」ホントか確かめる意味でも暇潰しに為るかも。
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