音楽が物語にとても上手く溶け込んでいた
前作の短編は未見だけど、共通してピアノがフィーチャーされているので作り手の得意分野なのだろう
ピアノの繊細かつダイナミックな音の魅力も溢れている
人と人との運命的出会いと関わり、不可抗力を含む自らの行動、そして無数の選択
今作は分岐する並行世界がどんどんと増えて行く
作劇方法に変化球はなく、わりとオーソドックスで正攻法なスタイル
分岐した並行世界がランダムに現れるが、その世界を象徴する"モノ"が導いてくれるので混乱することはない
世界線がスムースに交差する様はまるでDJミックス
驚きと感心の連続で大変気持ちがいい!
失敗があって成功がある
悪いこともあれば良いこともある
親切に接すれば、いずれ己に帰ってくる
そして、能動的な行動にこそ意味がある
落としどころとしてあの世界線が選ばれた理由は、教訓として最も説得力があって盛り上がるからだと思うが、無数に存在する全ての可能性にもエールを送りたくなる
現実には今作のように神の視点から見ることも比較することも出来ない
与えられた環境下で精一杯の努力と後悔しない選択を胸に生きるしかないのだろう
ジュリアと音楽(ピアノ)は切っても切れない関係で縛られてもいたが、やはり程々な関係性くらいが一番だったのかな?
原題の意味「人生の渦」も良いけど、英題の複数形もシンプルでイイ!