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ジュリア(s)のkazuoのレビュー・感想・評価

ジュリア(s)(2022年製作の映画)
4.5
あの時の選択が違っていたら…
ピアニストを目指すジュリアの、各分岐点における異なる選択による4つの人生を描いた物語。

映画ならではのロマンティックな素敵な場面や、リアルな関係の変化によるシビアな状況の描写が素晴らしく、人生って色々あるよね、良い事も悪い事も含めてそれが人生だよね、っていう映画。
要素としては今年度のアカデミー賞作品賞を受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」に近いものがあるけど、クラシカルな作品にも共通するロマンティックと胸を痛めるリアルを感じる今作の方が圧倒的に好み。
また今作は4つの人生がパラレルに進行するけど、違いをとても分かりやすく描いているので混乱する事なく鑑賞できるのも良い。

それぞれの人生はこれが正解でこれが誤りなどはなく、どの道も喜びも悲しみもあり何かを得れば何かを失う。そしてそれぞれで得たものは決して永遠ではない。

私は、私とその環境である。

同じ対象でも環境の差異で違う者になる。しかし共通するものもあって、それがジュリアにとっては"情熱"だった。

物語はそれぞれの長い道のりを描きながら、それぞれの帰結を見せ作中の現実に戻る。そしてラストはロマンティックに幕を閉じ映画ってやっぱり良いなぁと思いつつ自分の人生をあの時こうだったら自分はどうだったのだろう?と考える、そんな映画。傑作。

しかしこれ上映館少ない上に上映数も少ないんだよねー😢
ホントもったいない…
だから観れる人はぜひ観て欲しいです🎵
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