ジュリア(s)のysのネタバレレビュー・内容・結末

最近マルチバースの名の下に何でもありでやりたい放題の映画が乱立する中、この作品は同じようなパラレルワールド的な見方もできる中でしっかり現実と向き合って、この世界の中で必死に生きるいろんな世界を見せてくれる。こういうのが観たかった。

どんな選択をしても、良いこともあれば悪いこともある。悪いと思ってたことが結果良いことに繋がっていくこともある。良いと思っていたことが、本当に良いことだったのか？
あらゆる角度で人生の幸不幸を表現してくるシナリオに圧倒されるし、
4つ全ての人生が最後ちゃんと救いがある形で終わっていくのがとてつもなく心地よく、こんなにも心温かく胸がいっぱいになる読後感の映画は久しぶり。

ストーリーだけでなく、構成、編集も超すごい。
今描かれているのがどの人生かテロップとかのNとかMとかでの説明は一切なし。
何の前触れもなく、カットが変わったり、パンしたりしたら別のジュリアの人生に変わってても、ジュリアの髪型、衣装、メイク、表情などで、それがどのジュリアかが一瞬でわかる。
このシームレスに違うジュリアに切り替わっていく編集と、緻密な構成は本当に勉強になる。