Ryan

血痕のRyanのレビュー・感想・評価

血痕(2022年製作の映画)
3.2
デヴィッドフィンチャーに憧れたんだろうな



ストーリー
森の池で遺体が見つかる。警察のワグナーはこの事件に隠された知られざる真実を知る事となる。


監督 ゲッツ・スピールマン



ほぼ無音。
1時間29分尺だが、体感は2時間半
思ったより面白い。
割と好き。
事件の謎はありきたりで答えがわかるものではあるが、そこからの展開の巻き返しがちょうどよく、求めていたものに近い。
この作品の評価すべき点は"視点の変動"である。一つの事件を通して1人の人間を追いかけるのではなく平等に視点を置く事で心情の変化やキャラクターによって事件の捉え方が違うのが面白い。
系譜で言うと映画クラッシュやクロッシングに近い。
そのため事件の謎がメインではなく被害者、加害者、第三者などの心情変化がこの作品のメインであろう。

この監督作品は初だが、かなり頑張っていると思う。
たまにカットがアマチュア感匂うシーンもあるが、美しい自然美を見事に描き切り閉鎖的空間の演出にも成功しているだろう。
ストーリーの荒さを訂正していけば、なかなか面白い作品を撮りそうな予感。

好き嫌いは別れるかもしれないが、見つけ出せてよかった。
Ryan

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