イタリア映画祭にて。
ロベルト・アンドー監督 x トニ・セルヴィッロのコンビは過去2本面白かったので期待していたやつ。
期待どおり。
偶然にも「遺灰は語る」で描かれた作家ルイジ・ピランデッロで繋がっていた。
あちらはピランデッロの死後の話、こちらは生前のピランデッロをトニ・セルヴィッロが演じる。
スランプに陥っていたピランデッロがシチリアに帰り、昼は墓堀人で夜はアマチュア劇団を率いる二人の男と出会い、何かのスイッチが入る。
ピランデッロが「作者を探す六人の登場人物」誕生の裏側というか着想を得るに至ったきっかけを描く、実際の出来事も混ぜたメタフィクション。
もしかしたらこんな話だったかもね~の世界が面白い。
QAでトニさんが言ってたようにロベルト・アンドー監督は、堅苦しくなりがちな政治宗教文学などの題材を優雅に描き、観客にとっつきやすく(アクセスしやすく)する映画を作り上げるのは相変わらず見事だった。
群像劇っぽくあり、メタ映画っぽくもあり、ピランデッロの史実もしっかり混ぜつつ面白かった。
現実・妄想・劇が混ざり合い、またしてもスイッとかわしてくる。現実とフィクション、ドラマとコメディが見事に融合。もう一度じっくり見たい。