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ネクスト・ゴール・ウィンズのCinemanのレビュー・感想・評価

2.5
辛いことも多い世の中で、変わらず明るい作品を作り続けてくれるタイカ・ワイティティに感謝。

ワイティティ節全開ながら、おちょくりすぎない良い匙加減だったのでは。ソーの前作と比べてだけど..

いやー実話ものの創作版って難しいね。タイカの実話脚色といえば、ジョジョラビット。なんというか、実話の方が辛く悲しい場合は、タイカの脚色によるコメディー・パンプアップが落差があってすごく有効だけど..
一方で今回のように実話自体がものすごくポジティブだと、タイカのコメディーパワーを実話が追い越してしまうというか..ズバリ、タイカの魅力が若干薄れる気がした。
その延長線上にある問題がサモアチームに焦点を当てるのか、コーチの成長に当てるか。
正直、サモアチームの面々の描写がタイカ版のハイライトだと思ったので、ドラマ版だとその両方をできたのかも。でも、映画はいかんせん時間がないので、ある程度絞る必要があると思うの。
なんとなく前半はサモアチームが主人公で、後半はコーチが主人公という乖離を感じたというか。
例えば、後半に揃えるならコーチの話を冒頭に順番を入れ替えておくべきだし、逆に前半に揃えるなら後半で試合を「語り」で駆け足すべきじゃない。

まあ、実話なんだけど、敢えて創作にしようとするとサモアと白人という社会的な関係性の描きかたがかえって神経を使うという問題があったのだとは思う。作中ですごくその辺慎重だったよね、まさに言及された通り「白人の救世主white savior」の物語の典型にハマらないようにするのが一手間必要だったというか。

うん、たぶんタイカ版少林サッカーが見たい願望があったのかも。だって実話なので、試合の結末は決まってるわけで。だから遊ぶとしたら、試合内容しかないじゃない?逆に?カラテ・キッドとかアルパチーノとか触手伸ばしてたけど、結局少林サッカーで良かったんじゃないだろうか。実際、中盤まではその路線だったし。
うん。タイカもやっぱり、試合シーン描くところが1番つまんないから飽きちゃったんだろうね。(?)

そういえば、タイカ作品、海賊になった貴族のダービーさん?こちらにも。仲間を大事にするよね。
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