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ネクスト・ゴール・ウィンズのエスのレビュー・感想・評価

4.5
超大作続きで疲れたであろうタイカ監督の原点回帰作。

史上最大の点差でボロ負けした米領サモアのサッカーチームが怒鳴り散らしてばかりで見限られたコーチを迎え、再起、とまではいかないが”公式戦での1ゴール”を目指すお話。

大好きなタイカ監督!!!!初っ端ご自身が牧師になってナレーションし始めたからうひょ〜ってなっちゃった。そこからもうワイティティ節全開です。ふざけすぎなのはマジ。 それが自分にとってはとてつもなく愛おしくって。

米領サモアの人達のマインドが本当に平和そのもの。最弱と言われたとて、楽しいからサッカーをする。ただそれだけ。全ては幸せのため。みんなお互いに幸せでいて欲しくて、”不幸になる為に頑張ることはない”という台詞が胸に力強く響いたのを覚えている。何故怒る?何故いじわるする?なぜ笑わない?なぜ自然体でいれない?と、忙しい毎日で疲れきってズタボロになってしまった人達の心を救うと思う。自分は浄化されました。 ”気張りすぎることなく、在りたい自分のまま、ただ楽しんでいいんだ”って、忘れてしまうんです。こんな単純なことを。

そしてファファフィネと呼ばれるトランスウーマンの存在の描きも良かった。ジャイアという人物が実際にいらっしゃって声を上げ、活動を続けてるのはとても素晴らしいことだし、常にクィアフレンドリーなタイカ監督の作品はめちゃくちゃ心地が良い。こうでありたいの象徴だし、こうであって欲しいと思う世界を展開し続けてくれている。いつだって愛とユーモアで溢れているんだ。

パンフのインタビューで、ラグビーファン故ドキュメンタリーの監督ふたりのサッカーファン話は退屈だった(笑)とジョークをぶっ放すタイカ監督、声出して笑ってしまった。(同じくサッカー無知勢)これからも大好きです。世界が終わるまでずっとふざけて倒していて欲しいと思う。
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