kazマックスグローバーレッド

ネクスト・ゴール・ウィンズのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

4.0
『少林サッカー』でさえ全然ハマらなかった自分にとってはまず見ないであろうサッカー映画、タイカ・ワイティティ監督じゃなかったら間違いなく見てないであろうジャンルの映画。最後にサッカー映画みて面白いと思ったのは『チャンピオン鷹』ぐらい。

そんなサッカー映画だけど南国の弱小チームを鍛え上げる白人監督という点でこの映画はワイティティ版『クール・ランニング』。実話ベースでベスト・キッドベース、これは油断して気軽に見に行ったら うかつにも泣いてしまった。ワイティティ監督の作風は『マイティ・ソー』以外の映画も全部好き。

ここからネタバレ全開レビューなのでまだ未見の方は読まないでね。





「実話ベースでもかなりお話盛ってるとこあるよ」と冒頭のワイティティ神父が語る前フリが効いていて、第3の性(ファファフィネ)のジャイヤというキャラを無理繰りねじ込んでまたポリコレがうんぬんとか言う輩が出てくるんじゃないかと心配してたけど、実はここは盛ってなかったという手法が上手いのよ。

さらに最後の試合展開が発作を起こして目覚めた父親に聞かせるという語り口もめっちゃ上手い。サッカーに全然興味が無い自分でさえ惹き込まれていったもん。流石はワイティティ監督。

『ソー/ラブ&サンダー』ではミークが水性マジックをキュッキュッ言わせて若干スベリ気味だったワイティティ演出のホワイトボード芸もこの映画じゃ素晴らしいホワイトボード芸になっていて、正直ここのくだりで泣いてしまったなぁ、あのシンプルなスマイル。

格闘技界ではかつて400戦無敗伝説を誇るヒクソン・グレイシーが息子さんの交通事故死がきっかけで本当に大切なものの為に現役引退して家族と過ごす時間を増やしたってエピソード思い出した。


トンガ選手勢の猫「シャーー!!」に対してサモア選手勢のネズミ「チューチューチュー…」の威嚇合戦はこいつら何やってんだと思わず笑ってしまったし、パトカーサイレンが壊けて口頭で「うぉ〜〜ん♫」って…、『ポリスアカデミー』のジョーンズや柳沢慎吾じゃないんだから。こんな細かいギャグ演出も大好き。

対オーストラリア戦で「31対0」の屈辱負けをしたアメリカ領サモアですが、まぁ俺たち世代にとっちゃ過去に『スクール☆ウォーズ』の「109対0」試合で免疫済みだから31対0のスコアを見せられても大差に感じないんです。「お前ら0の人間か!!悔しくないのか!!!」「悔しいです!!」を経験済みなんでね。