琥珀

ネクスト・ゴール・ウィンズの琥珀のレビュー・感想・評価

4.5
ラグビーでは、フィジー、トンガ、サモアという南太平洋の島嶼国の選手をリスペクトを込めてアイランダーと呼んでいます。そして、ラグビーW杯を見たことのある方はお気付きだと思いますが、W杯に出場しているトップ選手の5人にひとりは、これらの島嶼国にルーツを持つと言われるほどで、身体能力も優れているし、どの国の文化にも溶け込んでそれぞれの国を代表して戦っています。味方のために身体を張ったタックルやキックへのチャージ(顔を蹴られるかもしれないプレーです)もいつでもどの試合でも勇気を奮って行ってます。見かけはゴツいけど本当に気のいい奴らなんです。
そういえば、昔、世界最強のニュージーランド(愛称オールブラックス)代表選手の中にも、日曜日は宗教上の理由から試合に出ないという名フランカーがいました。

そうなんですよね。
『サッカーより大切なモノがある』

国を背負った試合でも、もっと大切な信条があれば代表選手としての責務(国際試合に出ること)を果たせないこともあるし、周囲の世界はそれを認める寛容性
を持っているのか。

世界の5人にひとりがアイランダーだったら、戦争なんて起きない気がします。
国同士でも、この野郎!と思うことがあったら、両国の閣僚がみんな向かい合って、ハカ(試合前のファイトをぶつけ合う踊り)を披露し合えば、解決が難しいことは色々あっても、ノーサイド精神でもう一回話し合いませんか?
なんてふうに折り合いがつけられるのではないか。

この監督の映画を見てると、たとえテーマは重くても、なんだかうまくいくんじゃないか、と気持ちが軽くなるから不思議です。
琥珀

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