CHICORITA主任

ネクスト・ゴール・ウィンズのCHICORITA主任のレビュー・感想・評価

4.1
MCU『マイティ・ソー』シリーズや『ジョジョ・ラビット』などの監督作で知られるワイティティが、日韓サッカーW予選で「0-31」という世界記録に残る大差で敗北した最弱チーム・米領サモア代表が雪辱を果たすべく奮闘する実話を映画化した作品。

ワイティティと実話が出会うとこうなるか!監督自身によるメタ発言な解説から始まる本作は「ちょっと盛ってるけど」ほぼ実話。最弱サモア代表チームと、監督をクビになり嫌々代表監督を引き受けたマイケル・ファスベンダー演じるトーマス・ロンゲンの交流と再起を目指す姿に、ほっこりしつつ熱い感動を覚えます。

監督自身のルーツにつながる南太平洋の文化や習慣はおおらかで親しみやすく、また「ファファフィネ」と呼ばれる第3の性の選手をめぐる描写に、サモアの多様性を受け入れる懐の深さを感じました。

笑えて泣ける、負け犬たちのワンスアゲインものスポーツ映画の新たな傑作です。個人的にはタイカ・ワイティティ監督作としても過去最高かも。尺も90分ていどと見やすさ抜群なので、ぜひぜひ劇場でご覧頂きたい一本です。
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