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白鍵と黒鍵の間にのせっのレビュー・感想・評価

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)
3.8

昭和63年の銀座のクラブを舞台に、ジャズピアニストを夢見る若者博と、銀座のドン的なヤクザお気に入りのピアニストだがアメリカへ行くことを夢見る南2人の人生が不思議に絡み合う話。

とてもオシャレな音楽映画かと思いきや、裏社会要素が入っててサスペンスになるかと思いきや、その緊張が一気に弾けてコメディに寄ったり。その場の雰囲気や流れで映画の雰囲気が変わっていくまさに"ジャズ映画"だった。

やたら出し惜しみしてたゴッドファーザーのテーマもポカーンとしちゃうぐらいのシュールシーンだったし(笑)その一個前の音程外れまくったジャズバージョンズンドコ節の間抜けさは結構好きだったけど、ここまで引っ張ったゴッドファーザーそんな感じかよ!ってなった。

南と博が同じ池松壮亮なのは、博のような若者は他に腐るほどいて、使い回し〜みたいな意味でもあるだろうけど、それとは真逆の効果で、違う人間だと思ってた2人が徐々に似てる2人になってくるっていう不思議な感覚があった。別の池松壮亮が同じ池松壮亮になるみたいな(笑)

特に目の輝き具合が印象的で、博は最初お面を被っているからクリクリの目だけしか見えなくて、南はサングラスをかけていて目が全く見えない。その正反対から徐々に同じ目のクリクリ加減になっていくんだよね。ただ、2人の顔が激似なのを誰も突っ込まないのはさすがに気になったけど。
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