ねむろう

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩のねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

2023新作_133


みんなが幸せでありますように――


【簡単なあらすじ】
1939 年 1 ⽉、ポーランドのスタニスワヴフ(現ウクライナ、イバノフランコフスク)。ユダヤ⼈が住む⺟屋に、ウクライナ⼈とポーランド⼈の家族が店⼦として共に暮らす様⼦を捉えたシーンから映像は始まる。⺠族は違っても、⾳楽家の両親の影響を受け、歌が得意なウクライナ⼈の娘ヤロスラワが歌う、ウクライナの⺠謡「シェドリック」=「キャロル・オブ・ザ・ベル」を通し、交流を深める3家族だったが、間も無く第 2 次⼤戦が開戦。スタニスワヴフは、ナチス・ドイツによる侵攻とソ連によって占領され、ポーランド⼈とユダヤ⼈の両親たちも迫害によって連⾏、娘たちだけがスタニスワヴフの家に残されることになってしまう。そんな中、ウクライナ⼈の⺟であり歌の先⽣でもあるソフィアは、残されたユダヤ⼈の娘ディナ、ポーランド⼈の娘テレサの 3 ⼈の娘たちを⾃分の娘と分け隔てなく、守り通して⽣き抜くことを誓うがー。



【ここがいいね!】
ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人それぞれ3つの家族がたどる運命を、美しくそして何よりも残酷に描いた映画でした。
そんな中で、ウクライナ人の家族が中心となって動いていくわけですが、話が展開していく中で、それぞれの家族の特に子供がこのウクライナ一家に意図せず合流していく展開になります。それによって、戦争が人々に強いる肩身の狭さを残酷に描いていました。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
この辺りは、歴史を知らないといけないところではありますが、このウクライナ人一家がいるところに、ポーランド人一家とユダヤ人一家がそれぞれ入るという事が実際にありえたのかという感じはしました。



【ざっくり感想】
結局最終的に、索引内で登場する大人は、しっかりと子どもたちの成長を見届けることなく「退場」してしまいます。そんな中で、子供たちがいかに生きなければならなかったかというところにフォーカスをしたことを考えると、非常に意義のある作品だと思います。そして、このウクライナとロシアの戦争が起こっている現代にこそ観られるべき作品だと感じました。
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