カレン

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩のカレンのレビュー・感想・評価

3.9
1939年ポーランドのスタニラーヴィウ、現ウクライナのフランキーウシク

同じアパートに住む
ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の家族
当時のその地における縮図のような三家族

ウクライナの民謡
「キャロル·オブ·ザ·ベル」
幸せを呼ぶ歌
美しい声で子供たちが歌う

しかし町は幸せとは程遠く
ソヴィエト、ドイツに代る代る占領され

ソヴィエトに目をつけられれば
シベリア送り
ユダヤ人はドイツによって連れ去られる

あまりの過酷さに
1941年、1942年…と時が進むにつれ、早く戦争が終われと祈る私がいた

「ウクライナなんてない!ロシア語をしゃべれ!」とロシア人

まるで現在のかの地を暗示しているみたいだが、この映画の制作時には今のロシアのウクライナ侵攻はまだ始まっていない。

しかし、大国の狭間に翻弄され続けたウクライナの問題は、今に始まったことではないのだということがとてもよくわかる。

そんな哀しい歴史においても
ウクライナの民謡からなる
キャロル·オブ·ザ·ベルを歌い次いだ子供たち

民族は違っても
友情は育める

映画の間中、幾度も流れる
キャロル·オブ·ザ·ベル
涙なしには聴くことができませんでした。
カレン

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