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キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

3.7
子供の目から観た戦争で、国籍、民族を超えた家族の絆を描いています。 エピソード作り込み過ぎに感じたけれど、この町の歴史そのもので、ポーランドとウクライナ、ソ連、ドイツに幾度となく占領された地域でした。

1939年、ユダヤ人オーナーのアパートに敵対するポーランド人とウクライナ人家族が引っ越してくることから始まります。

クリスマス・キャロルとして世界で歌い継がれているウクライナの民謡「キャロル・オブ・ザ・ベル」。この歌で、民族、国籍超えて結びついていく家族たち。戦争は子供たちに負の遺産を残し、不幸にするだけ。子供たちの未来を考えたら戦争なんてできない。

実はあまり心が打たれなかったのです。冷たいのかな。
理由は、監督一作目ということもあるのでしょうが、エピソード盛り込み過ぎで、ありったけの不幸を詰め込んだ脚本の問題が大きく感じます。

ウクライナ出身とウクライナの民謡ということで注目されたのだと思うけれど、カメラのぶれ、カットの多さ等々もあり、荒削りでした(なんて偉そうですみません)。

決定的にダメだったのが、主題の「キャロル・オブ・ザ・ベル」の旋律が怖く、不安を煽ります。他の歌も子供たちの声は透明感あるのに、歌詞がホラーのようでした。

本作でも絶対悪の存在はドイツとソ連ですが、ふと、一般市民のドイツ人、ロシア人の心の内を描いた戦争映画を観たくなりました。ステレオタイプでなく描いた作品。探してみよう。
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