りっく

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩のりっくのレビュー・感想・評価

3.9
歌は時代や国境を超えると言うが、本作は「キャロル・オブ・ザ・ベル」というウクライナ民謡を中心に据え、この歌によって不快に思っていた者同士が心を通わせ合い、あるいは憎しみの対象である相手との距離が近づき葛藤と嫌悪が入り混じり、アイデンティティの拠り所となるも表舞台から抹殺され、そしてあの時代を生き抜いた者たちが時を超えて存在を確認し合う証となる。その過程だけ取ってみても、とても丁寧に物語を紡いでいることが分かる。
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