あまのうずめ

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩のあまのうずめのレビュー・感想・評価

2.3
1939年ポーランド、スタンスワヴフ(現ウクライナ、イバノフランコスク)にあるユダヤ人弁護士イサクのアパートの店子としてウクライナの音楽家一家とポーランドの軍人一家が越して来る。アパートのもう一人の持ち主ヨセフが決めたことだった。ウクライナ人のソフィアは歌を教えていて、娘ヤロスラワを介しそれぞれの娘たちは仲良くなるがウクライナ人両親とポーランド人両親はピリピリしていた。ヤロスラワはウクライナの公現祭にポーランド人一家を誘い三家族が集う。


▶︎1939年ソ連のポーランド侵攻、1941年ユダヤ人ジェノサイド、その後のソ連のウクライナ民族運動派の粛清がベース。

1978年ニューヨークの劇場の楽屋から始まり過去を中心にストーリーは展開し、元はウクライナ民謡の「クリスマス・オブ・ザ・ベル」をヤロスラワが美しい歌唱で惹きつける。その分辿った運命の残酷さが滲んで来る。

ただポーランド・ウクライナ戦争で西ウクライナ地区がポーランドに取られた歴史を知らない人は最初の二家族の緊張は伝わらないのでは?と思った。人や事に肉付けがされていないことや色々と端折ったことで箇条書きな内容に終わってしまい、1978年部分の取って付けた感は否めなかった。色々と残念な面の多い内容だった。