アキオ

きっと、それは愛じゃないのアキオのネタバレレビュー・内容・結末

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

恋ではなく愛。その違いとは何だろう?そんな大人の恋愛観についてめちゃくちゃ考えさせられる映画。多様性が浸透してきた現在かつ、クリスマス前にこれを問うたのは戦略的。この時期に出すのは賢い。

クリスマス前に、自分の恋愛において幸せに感じる点は何だろう。相手はどう思っているだろう。自他のニーズについて考え直して「観る」のはいかがでしょうか?

オンライン試写会に当選したので、久しぶりに映画と向き合う時間ができました。なので、今回も熱量高めのレポートでお送りいたします。珍しく見返してしまいました。それくらい良かったです。
他の映画と違って「あ~めんどい!独身でいいや~」とか、「妥協するか~」とか諦めエンドではないところが良かったです。ちなみに脚本家の実体験ベースの設定らしいです。

まず、この映画でキーワードになっているものは大きく2つ。
1つが、「veil」隠すこと。メインテーマな気がする。誰しも、一見楽しそうに振舞っていても、裏には悲しさや辛さを抱えていたり、見せていない一面が誰しもあるよねって話。日本で言うなら建前。世の中にはありふれていることだけど、あまり精神衛生によくないなぁと私は思う。ここは花嫁が結婚式の時にするveilとダブルミーニングな感じがしていて上手い。
相手を喜ばせる嘘をついたり、都合の悪いことを隠したり、社会で生きていく上の手段として必要な時はあるけれど、自分の首を絞めてしまったり、大きいストレスになることもある。
そんなものがない世の中になったらいいのになぁ。。。

2つ目が、差別と言うバイアス。多様性とも言い換えられるのかな。価値観の相違って難しい。これは製作陣の実体験ベースの一番の訴えなのかなぁ。確かにムスリムってだけで警戒されることって多いのかなって思った。イギリス人であるとは言っても人種や宗教で偏見持たれてしまうのは辛いな。。。
ほんまに人それぞれ考え方違うし、個人的には差別する側の問題だと思うけどね。世の中の偏見の8割が、過激な上位2割のせいなのに悲しい。。。差別する側には記憶に残らないけど、された側には大きな傷が遺る。「47番地と49番地は違う大陸なんだ。」と言うセリフからもわかる。地味にクライマックス前の白人も差別される感じがあったのが、なんか意外性を感じた。でもなんかしていた側がされる側になるのも気持ちはわかるなぁ。

3つ目が愛と言う感情について。タイトル回収。
これはゾーイの経験してきたワンナイトや短期間の交際による[恋]と母親や妹のジャミラ夫婦の「愛」から伝わるのかなと思う。ここの対比って[短期=刺激]と「長期=安定」なんだと思う。ワンナイトとかって1つ目と被るけど、隠すことによる日常の窮屈さから逃避したい、非日常の刺激が欲しいって両面を満たすために至る発想なのかなって思う。俺は毎日外出れば刺激は満たされるし、ストレスもないし、異性には安心感が欲しいからやらないけど発想はくみ取れる。愛って長く続くものだし、毎日太陽の光のように定量、かつ不可視なものだから慣れてしまうと感じ取ることが難しいよね。でも、ふとした瞬間や言葉や振舞いで確認することはできる。それに目を向けられるようになれるといいね。こんな尊い感情に気づくことができたら素敵なことだし、美しいことなんてないよ。

あ~~~~~最後脳汁めっちゃ出た~~~俺も一緒にいたい人と共に時間を過ごしたいなぁ~~~~~

次に個人的に考えさせられたな、学びになったポイント。
それが、人の心を動かす言葉を選ぶこと。
相手を否定するのに時間は取りたくないし、相手は期待を
個人的に大事にしている考え方なんやけど、どうしたら良くなるか、一緒に過ごすことができるかに頭を、創造力を使うことがいいよね。そこを突き詰めていきたいな。俺はポジティブに心を動かすことが生きる中で最も大事なことだと思っているから。そのためのコミュニケーションだと思ってる。これからは「相手からかけられたネガティブな言葉の裏側の期待や隠された真意をくみ取って解決していくこと」ができるように傾聴していきたいな。あと、ダメもとでもポジティブを言葉にするって大事。営業ですね。
もう一つが、自分の好みを言語化、相手のニーズを言語化できるようになること。抽象的な考を具体に落とし込むこと、相手が理解できる言葉を使うこと。これが少しずつできるようになったのは俺の成長ポイントなんだと思う。伝えるためのコミュニケーションに至れたのは今年一番の収穫。
自分の好きな理想のタイプくらいは言語化できて引き出しにしまっておけるようにしとこ。

そして、今回の勉強キーワードはお見合い結婚。arranged marriage→assisted marriage
多様性によって力を借りる(結婚するためのお尻叩いて:後押ししてもらうってニュアンスもありそう)そんな時代になったんだなぁと感じる言い回し。



ここからは、個人的な感想つぶやきタイム。
最初のlove contactuallyって仮題好きよ。love actuallyもじってて。

totally. absolutely not!懐かしいね。2年前はめちゃくちゃ使ってたなぁ。今でこそ伝えること、伝わることに意識が向いたから使わなくなったけど、めちゃくちゃニュアンス分けしてたから気持ちよかったなぁと思った。あの時は独りよがりになってたなぁと思いつつ、使われると心地よいことは間違いないので、人選んで定期的に使ってこ。

序盤のDogの下りで「ちなみに猫派」って言ってたのめちゃくちゃツボやった。これも猫を被るで伏線回収していったの気持ちよかった。ちなみに俺は猫派だけど、猫被られるのは嫌いだし、人付き合いにおいてはめちゃくちゃ犬になります。

ゾーイ可愛いな。特に夜のシーンで5割増しできれいに見える。個人的に女の子は暗いところで暖色越しに見ると3割以上は盛れるのでプリクラより推していきたい。
やっぱ、俺ってこういう夜の街並みが綺麗なところが好きやし、その景色をきれいに撮れてる映画が好き。暖色系の明かりに人口建造物。たまらない。暖かい電飾と古い異国風の建物と現代建造物の対比なんかたまらない。
終盤のマイムーナの自撮り良かった。めっちゃパリピなのびっくりした。違和感持つくらい猫被ってておしとやかで大人しいのは伏線やと思ったけど、変貌にカズばりにびっくりした。あと披露宴の民族衣装かわいかったなぁ。パキスタンのこと詳しくないけどすごくよかった。てか、俺良く中東系の人間に勘違いされるけど、そこまで顔と色濃いか?人種がどうとかじゃなくてこんなに顔立ちはっきりしていて美肌でもないし、認定されるほどのエキゾチックな自信ないよって意味で。焼いたら多少寄せられるけど、彼らと比べたらそこまで凹凸ある顔ではないような気がしているのだが、、、って言う。
あと、披露宴の後のパリピタイムの音楽の選曲良かった。行ったことないけどクラブ行ってみたくなった。

100分尺でここまで濃厚にまとめられたのだから、頑なだったカズ一族が最後に納得したのはスルーしましょう。あと小刻みに喧嘩シーン入れてくるのもね。



最後に個人的な恋愛観についてだらだらと。appendixです。
お見合い結婚の方が長続きするのはなんかわかるなぁ。言語化すると、お見合いって実際に会うのが結婚する瞬間みたいなことが多いから、好感度がゼロスタート。だから、基本が加点方式になる。恋を通して結婚したりするとお互いをよく知ったピークからのスタートだから原点方式になりがち。そこが決定的な理由なのかなと。俺は恋愛とビジネスがもう一緒の概念だと思って生きるようになっちゃったから、めちゃくちゃ悲しい人間になってしまったからすごく刺さった。
それに、1人でいることに慣れてしまうと、誰かを必要とすることもないし、他者によって心が動くこともなくなってしまうし、めちゃくちゃ気持ちがわかった気がする。
でも、俺はカズと一緒で納得感・満足感は譲れないし、絶対に妥協したくないな。好きなタイプも知的でお淑やか、大人しめな人が好き。多分、そこから感じる助けてあげたい、力になりたい、力になれそうってのが好感度につながるのかも。傾向としてちょっと内向性高い人が刺さるんだと思う。

カズも言ってたけど、嬉しい!この人と話したい!って感じるポイントは共通点があることなんだなって思った。めちゃくちゃわかる。そのためのミラーリングとかペアルックなのかなって。結局接点とか共通点が多くないと楽しくないしストレスになってしまう。これは意識していかないと。。。俺は差別化してしまうから、伝え方・言葉の選び方に気を付けよう。。。

以上、3500文字のレポートでした。

最後に、成長させてくれてありがとう。愛をこめて。
アキオ

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