たむ

きっと、それは愛じゃないのたむのレビュー・感想・評価

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)
3.4
異文化のロマンチック・コメディをイギリス映画が描いたときの、まさに良質な映画です。
幼なじみがお見合い結婚すると聞いたドキュメンタリー映画監督が、結婚や愛について、その幼なじみを撮影対象にしたことから起こるドラマが描かれます。
イギリスの白人女性とパキスタンからの移民でムスリムの男性という二人を描きながら、偏見や差別、昔からのしきたりに葛藤していきます。
本作は、ワーキングタイトルの作品で、こういうタイプの映画を作った時のクオリティの高さはなかなかのものです。
クライマックスはそれまでの展開が明るい喜劇タッチが、シリアスにテーマを掘り下げる展開を見せていきます。
二人のすれ違いというよりも、文化や慣習の違いによってすれ違っていく事で、非常に深くなります。
正反対な二人の設定がラブ・ストーリーの成功の要となりますが、本作の二人の個人を超えて、歴史や文化にも迫ろうとするあたりが見事でした。
リリー・ジェームズさんが主役を演じていますね。
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